更生係の憂鬱生活
私の心配をよそに、奏は軽く笑った。
「大丈夫だよ、そんな命取りな行動する奴いないって!」
笑顔だけど、黒さがにじんでいた。
そうだろうけど。
そんな気はするけど。
このご時世、何が起こるかわかんないよ?
バレないような犯罪はいくらでも在るから。
『いいから気を付けて。
分かった?』
念押ししたら奏は、くすくすとおかしそうに笑みを零す。
「お母さんみたい」
『誰がお母さんだ、違うし』
アンタらの母親なんて、願い下げよ。
ただでさえ、更生係でも身に余るのに。
真面目に否定したら、更に笑い声が増した。
何が面白いんだ。
奏はゲーム機を抱きしめながら、少し落ち着いた調子で話す。