更生係の憂鬱生活
8【清】
「更生は順調に進んでいるようですね」
明くる日、風紀委員会の部屋で、剛と話していた。
『そうかなぁ?』
前より、ぶっ飛んだ行動は目立たなくなってきた気はするけど…。
少なくとも、代那、奏、京平はマシになったんだろうか…?
残るは、清である。
清は、特段悪さという悪さはしてないけど。
強いて言うならば、“隠蔽工作”くらいか。
女嫌いらしい彼は、初対面で会った時以降私に近づかないどころか見向きもしない。
まるで透明人間になったかの如く、スルーしていくからね。
もういっそ、清々しいよね。
取り付く島がないとは、まさにこのことだと言えよう。
この状況でどうやって近づけばいいんだ?
「…まぁ、頑張って下さい」
溜息を零す私を、剛は他人事っぽく慰めた。