更生係の憂鬱生活
敢えて“友達”を強調したら、清は苦虫でも噛み潰したかのような顔をした。
ふふ、“BLAZE”のこと大好きだもんね。
ソレを表立って言うことは無いんだろうけど、私には分かる。
何か反論したそうだったが、渋々と飲み込んだ清。
お、これは私の勝ちかな?
私と清のやり取りに呆気にとられている周りをとりあえず置いといて話を進める。
『これ以上はもう止めて。
わかった?』
「…チッ、分かったよ、もうしないよ」
苛立たしげに降参した。
私の言葉に折れたらしい。
舌打ちはよろしくないが、まぁ言質は取ったからいいや。
呆けている男達に(清と他のメンバーの代わりに)詫びを入れて帰ってもらった。
いや、これ、私の仕事じゃないんだけど…。
“BLAZE”の尻拭いまで追加されてちゃったし。
今後問題起こさせないようにしなきゃなぁ。
毎回これでは大いに困る。
損な役割にトホホと肩を落としていると、不機嫌そうに黙っていた清が、去る直前言い残していった。
「…やっぱ、前言撤回しとく。
お前、雑草だな」
褒め言葉なのかもわからないけど。
少しは認めてくれたのか?
私は暫く動かずに、去っていく清の背中を見つめていた。
ー清、“更生”ルートへ一歩踏み出す。