更生係の憂鬱生活
2【作戦会議】
剛のプランは私の予想の遥か斜め上にあった。
『…は?落とし穴に落ちろ?』
願わくば聞き間違いであってほしい。
「はい。
“BLAZE”は非常に悪戯好きらしく、
校庭の目立たない箇所に落とし穴を
作るらしいです」
ア○パッドを片手に懇切丁寧に説明してくる剛。
今更だけど、何故コイツはBLAZEについてこんなに詳しいんだろうか?
私を言い包めてきた時も山積みの情報を持っていたし…。
そんな謎を感じながらも、意識は“落とし穴”に向く。
落とし穴って…暇人か。
てか、目立つところにやりなよ、そんなこと。
本読みたいな〜、って良い感じの木陰に
やって来る私みたいな陰キャが落ちるだろうが。
「陰キャが対象らしいです」
死んだ魚の目をしていた私の心中を察したらしい剛がサラリと言う。
性悪すぎでしょ。
リアクションが目当てなら陽キャにやれ。
『…で?何で、私はそこに落ちるわけ?』
「“BLAZE”の目に留まるためです。
奴等は面白いことを好みますので。
貴方は素のままブチ切れてください」