更生係の憂鬱生活
「澪っ!」
『…っ、奏?』
奏は今にも泣き出しそうな顔で私に抱きついてきた。
私は、抵抗も何もなく、抱きとめた。
「やだよ…!
澪は、僕のこと見放さないんでしょ?
だったら、未だここにいてよ!」
『…奏』
切実な願いに、唇を噛む。
できるなら、叶えてあげたい。
…でも、それじゃ、何も変えられないんだ。
私が、皆のためにできることは限られてる。
「離れて下さい。
澪さんは晴れて風紀委員長の役割に戻られるのです。
これ以上、巻き込まないでいただきたい」
私と奏を引き剥がした剛。
嫌みったらしく言ってるけどさ。
私とBLAZE引き合わせたのは剛なのにね。
迫真の演技に驚くしかない。
「「「澪(ちゃん)!!」」」
「…」
剛に目配せされ、私はBLAZEの方を振り返らずにアジトを出た。
皆の声を背に、私は…。