更生係の憂鬱生活
その後も話し合うものの、意見はまとまらず。
ど、どうしよう。
時間もないのに…っ。
危機の大きさに、頭を抱えたくなった。
焦りだけが募っていく。
すると暫く黙り込んでいた剛が、「澪さん」と声をかけてきた。
目を合わせれば、少し辛そうに私を見つめる剛がいて。
真剣な瞳に、緊張が走った。
ー「俺に、一つだけ考えがあります。
しかし、とても酷いやり方です。
貴方に…、嫌われる勇気はありますか?」
言われた内容に、最初はポカーンとしてしまった。
だけど、何となく辛い道のりになることがわかった。
方法が、ある?
そのために、私は嫌われる?
頭にBLAZEのメンバー皆の顔が浮かぶ。
嫌われるのは、怖いし辛い。
拒絶されるのは、嫌だ。
でも、それ以上に。
皆には、幸せになってもらいたい。
こんなところで、人生を台無しにしてほしくないよ。
全ては、更生係である、一人の人間のエゴだった。
だからね、やらないなんて、最初からできっこないんだよ。