更生係の憂鬱生活
ー『…やるよ』
剛に指示されたことは、至ってシンプルだった。
代わりの更生係を作って、私は役を降りる。
そして、BLAZEに“見放された”と危機感を煽る。
そして、その危機感を逆手に取って、更生ルートへ導くという作戦。
ー…押してダメなら引く、それが私ができる最終手段なのだった。
甘やかすだけでは、ダメなんだ。
『…ごめんね』
誰にも聞こえない声で、独り言ちた。
謝るなんて今更だと分かってるんだけど。
こんなやり方しかできないことが、申し訳なくて。
もっと、器用だったら。
もっと、私に力があったら。
違う方法を見つけられたのかもしれない。
身勝手で、ごめんね。
…でも、それくらい変わってほしいんだよ。
私にとって大切な、皆に。
ー…だからどうか、この想いが届きますように。