更生係の憂鬱生活
『ブチ切れるの?!』
思わぬ剛の提案にびっくりして叫んだ。
族相手に切れるの?
ボコられないの、それ?
不安しかない筋書きに恐れをなす私。
「反応は後でのお楽しみとして。
貴方は奴等に名前と更生係であること
を宣言してください」
何一つとして楽しむ要素ないよ?
宣言とか…したくなさすぎる。
息の根止められそうじゃない?
私みたいな落とし穴にまんまと引っ掛かる
ような間抜けな地味子の正体なんて
知りたくもないでしょ。
やりたくないわー、というオーラを出していたら、剛の目が光った。
「良いですか?」
黒い笑みを全開にする剛に、ビクッと肩を揺らし仕方なく頷く。
やりますよ…やればいいんだろ!(自棄)
「…そして、後は彼らと心を通わせ、
手懐けてから更生させるのです」
おしまいおしまい、と紙芝居みたいに締めくくる剛。