更生係の憂鬱生活
11【澪】
『はぁ〜、平和だ』
風紀委員会室で、紅茶を飲みながらのんびりと独り言ちた。
ティーポットを持ち、傍らに立つ剛は
「平和ですね」と穏やかに同調する。
“BLAZE”の更生係を辞めて早3日。
ようやく、落ち着いた日常が返ってきたって感じがした。
ゆったりと過ぎる時間が懐かしく、
何故か恐ろしく感じる。
職業病だろうか…、うん、きっとそうだ。
そう思うと、BLAZEといた時は、ドタバタで身体いくつあっても足りないくらいだったなぁ。
思い出すだけで、目が遠くなる。
今では女子等の嫉妬の嵐からも解放され、すっかり自由の身だ。
…てか、あらゆる嫉妬からの解放といえば。
『私が更生係じゃなくなった瞬間に皆手のひら返したよね…』
ポツリ、と呟いた。
別に、もうどうでもいいことなんだけど。
“BLAZE”の人達がどうかは知らないが、その周りはガラッと態度を変えた。
ー「神崎様なら許せるわ」
ー「本当にお似合いだよね」
これがみよしに厭味ったらしく囁く声を耳にした。
分かってますよ、私がブスで身の程知らずってのは。
どうせ私は神崎さんみたいに可愛くないし、女の子らしくないし、地味だし。
BLAZEの皆だって、顔は良いもんね、顔は(八つ当たり)。