更生係の憂鬱生活
12【取り引き】
私と剛は、二人揃ってポカーンとしていた。
…ほ、本当に来ちゃったよ。
4人はズカズカと中へ入ってくる。
「澪!僕らを放っとくなんて、
只で済むと思わないでよ!」
鼻息を荒くして、ビシィと私を指差し怖いことを言ってくる奏。
『…え、あの、神崎さんは…?』
貴方がたの現更生係は何処へ…?
苦笑いしながら、尋ねると。
「知らない、言うこと聞かずに暴れたら逃げてったよ」
無表情の代那は腕を組んで鼻を鳴らす。
はぁ?!
アンタ、何してんの!?
神崎さん、可哀想に…。
「俺等を飼いならせる人なんて、
澪ちゃんくらいだって」
普通の人じゃ無理無理、と肩をすくめる京平。
『京平…』
ソレは良い意味なんだろうな?
私は普通じゃない??いや、普通でしょ。
「…ま、アンタがいないと、からかい甲斐がないし」
『別に好きでからかわれてないんだけど…』
清は相変わらず意地悪だけど、以前みたいに声に棘はない。
皆と話してないのは、たった3日なのに変だな。
めちゃくちゃ久々に感じてしまった。