更生係の憂鬱生活
最初に、代那の方を向く。
『まず、殴る蹴るはダメ。
小学生でも分かるルールだ、肝に銘じなさい』
「あ、はい」
代那はキョトンとした後、素直に首肯いた。
次に、奏に視線を移す。
『その2、奇抜な髪型を直す。
校則を守れないような奴はこの学校に要らん』
「…え、…はぁい」
ズバズバ言い捨てる私に、奏は不服そうにしながらもコクリと首を縦に振った。
見捨てられた子犬みたいな顔しても見逃しません。
で、その次は京平か。
『その3、校内で女を侍らせるな。
風紀が乱れる上に被害量が多すぎて迷惑』
「あは、やっぱ手厳しいなぁ…。
うーん、でもしょうがないか。
分かったよ」
京平は多少抗うかと思ったが、予想と違った。
苦笑しつつも、大人しく受け止めてくれたことに少し安心した。
確なる上は脅…いや、説得するしかなかったからね。
さて、最後は清だ。
『その4、権力で好き勝手しないこと。
親の権力に甘んじて横暴するのは金輪際やめなさい』
「…チッ、また説教かよ」
案の定、嫌そうな顔をする清。
他人に命令されるのは、嫌って?
でも、私だって折れるつもりも、妥協するつもりも一切ないから。
『文句ある??』
「………」
分かりやすく機嫌を損ねる清を黙らせた。