更生係の憂鬱生活
胸を撫で下ろし、ハッとする。
安心して思わず叫んじゃったんだけど!?
穴があったら埋まりたい…!
生暖かい目で私を見ていた剛は「よかったですね、BLAZEと居られるようになって」と皮肉の効いたセリフを吐く。
『またあの忙しない日々が帰ってくるのか…』
あの人達が“大人しく”なったとはいえ、根っこは只では済まさない性格を持つ人間ばかりだからなぁ。
油断はできない。
それに、BLAZEといるのは、楽しくもあり、苦しくもあるのだ。
女子からは目の敵にされること間違いなしだろうし。
まぁ、地味子が愛されるんじゃ、面白くないもんね。
はぁ、と溜息を零すと、剛は何を思ったのか矢庭に私から眼鏡を奪った。
『えっ!!何っ!?』
窃盗は犯罪です、お巡りさぁあん!
「眼鏡無くても見えるんですよね?」
返せ、と反抗する私から眼鏡を取り上げ続ける剛。
くそぉ、背が低い私を馬鹿にしているのか?
てか、何で眼鏡の話?
『別に補強程度だし、無くても支障はないけど!?』
良いから早く返せ!とキレ気味に答える私に剛はニッコリ笑うだけ。
眼鏡を返す気配はない。