更生係の憂鬱生活



「じゃあ、今日から三つ編みと眼鏡は止めましょう」


どっから三つ編みの話が出てきたんだ?!


『何で三つ編みも?』

眼鏡に三つ編みもなくなったら、私のシンボル無くなるよね?

誰だコイツ状態にならない??

不審者扱いとか通報されない??

私の不安を察した剛はスパッと言い切った。


「BLAZEと遜色なく付き合いたいのならば、今すぐにイメージチェンジしなさい」

『…い、いめーじちぇんじ?』


前にも同じようなこと言われた気がする。

三つ編みと眼鏡外しただけで、そんなに変わるのか?


「…今の貴女なら、もう大丈夫でしょう?」

ふ、と切なく微笑む剛に目を見開いた。

私の過去を剛は知っている。


『…そ、だね』


思えば、この格好は臆病ばかりの自分を奮い立たせるためにしていた。


でも、今の私は、そうしなくても生きていけるのかもしれない。

私、あの時よりも…強くなれたかな。

もし、なれているのだとしたら、“彼ら”のおかげだ。


剛から眼鏡を返してもらうと、ケースにしまった。

三つ編みを解いて、『大丈夫』と小声で繰り返す。

自分は変われたと信じたい。




きっと、私は“鎧”なんてなくても闘えるってー…。



< 95 / 104 >

この作品をシェア

pagetop