更生係の憂鬱生活
「じゃあ、今日から三つ編みと眼鏡は止めましょう」
どっから三つ編みの話が出てきたんだ?!
『何で三つ編みも?』
眼鏡に三つ編みもなくなったら、私のシンボル無くなるよね?
誰だコイツ状態にならない??
不審者扱いとか通報されない??
私の不安を察した剛はスパッと言い切った。
「BLAZEと遜色なく付き合いたいのならば、今すぐにイメージチェンジしなさい」
『…い、いめーじちぇんじ?』
前にも同じようなこと言われた気がする。
三つ編みと眼鏡外しただけで、そんなに変わるのか?
「…今の貴女なら、もう大丈夫でしょう?」
ふ、と切なく微笑む剛に目を見開いた。
私の過去を剛は知っている。
『…そ、だね』
思えば、この格好は臆病ばかりの自分を奮い立たせるためにしていた。
でも、今の私は、そうしなくても生きていけるのかもしれない。
私、あの時よりも…強くなれたかな。
もし、なれているのだとしたら、“彼ら”のおかげだ。
剛から眼鏡を返してもらうと、ケースにしまった。
三つ編みを解いて、『大丈夫』と小声で繰り返す。
自分は変われたと信じたい。
きっと、私は“鎧”なんてなくても闘えるってー…。