更生係の憂鬱生活
ガチャッとドアノブを回して、勢いよくドアを開けた。
『たのもーう』
「澪〜っ!…って誰!?」
バーンと登場した私の声に反応して即座に飛びつこうとしてきた…奏?が石化していた。
髪色も同じで、完璧に見た目がそっくりになった双子にビビる。
ドッペルゲンガーを見ている気分だ。
どうやって見分ければいいんだろ、こいつ等。
辛うじて、口調やオーラで判別できるかもしれないが…。
ていうか、奏さん。
出会って早々に「誰!?」は酷くないかな。
私のアイデンティティ=三つ編み眼鏡の方程式は覆せないらしい。
ほらぁ、剛!三つ編みと眼鏡無くしたら個性ゼロじゃないか。
『淡路澪ですけど、何か』
剛の強引なイメチェン指令によって変えてみたけど失敗だったようだ。
しかし、今更取り返しのつかない状況に陥ってしまったからヤケになり、腰に手を当ててBLAZEの皆を見やる。
すると、4人は的外れた反応をしていて。
「こんな展開って、ある?」
「ないね、やっぱり面白い子だなぁ
「最高じゃん」
「…地味じゃねぇじゃん」