冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
やはり翼が生えていたり、一角持ちだったり、長いたてがみの色だけ色違いで波打っていたりと、一般の犬や狼とはかなり違っていた。

けれどブラッシングがとても必要な彼らは、共通して毛量が多い。

つまり、もふもふだ。

ミリアは一心に、ひたすらもふもふしまくった。いや、ブラッシングに専念した。同じく地べたに座り込んで作業に入っているカイたちは、もふもふしているんだろうなと分かった顔で守っている。

その一方で、動物課の係たちはミリアの腕に感激していた。中型の子供の聖獣たちなので囲いの中に連れてきては、仕上がり次第連れていくを繰り返している。

「手際がいいですねっ。王女殿下は素晴らしいお人です!」

彼らの人間評価は技術なのか……とカイたちが呟いていた。

それは、真っ向から褒められたミリアもちょっと思った。ひとまずブラシがけが完了した大きなもふもふの子を、抱っこして彼へ手渡す。

「おぉっ、重いのにありがとうこざいます! 愛情を感じますな!」

「えぇと、これくらいならまだ平気――」

「うふふっ、彼らも全然嫌がりもしていないのもすごいです!」

いちいちよいしょされるのも慣れない。

「いや、ブラシでリラックスしているからじゃない?」

思わず素の口調で突っ込みしたら、カイたちが素早く首を伸ばしてきた。彼女はうっかりの発言を自覚して口を閉じる。

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