冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
それを聞いてアンドレアもびっくりしたし、まさか彼女の口からそんな言葉が出ようとも思っていなくて、全員がぽかんと口を開けていた。
幼馴染であり、初恋相手を前にしたあのエミリオも珍しく固まっていた。
あの時、ジェフリルド国王だけが噴き出して大笑いしていたものだ。
(――そう。それで、いまだ溝が)
思い返すのをアンドレアはやめる。
そうやって父は、向こうの国の王から反対されていた結婚を、あっさり結ばせてしまったのだ。
あなたのところの姫は言葉通りうちの王太子に夜這いをかけてしまった。うちの子が発情できるのは彼女だけになってしまって困っているのだけれど――とジェフリルド国王はいけしゃあしゃあと言ってのけた。そして向こうの国の王は、国際問題に罪に問われると思ったのかあっさり結婚賛成の姿勢へ転じたのだ。
(いや、考えると頭が痛いからやめるんだ)
それは、したたかな彼女と、したたかな兄の話だった。
ミリアは王族でもなく、ましてや貴族として心構えなどの教育なども受けてこなかった女の子だった。
彼女については、そんなことにならないようアンドレアがしっかり手綱を握ろうと思った。
幼馴染であり、初恋相手を前にしたあのエミリオも珍しく固まっていた。
あの時、ジェフリルド国王だけが噴き出して大笑いしていたものだ。
(――そう。それで、いまだ溝が)
思い返すのをアンドレアはやめる。
そうやって父は、向こうの国の王から反対されていた結婚を、あっさり結ばせてしまったのだ。
あなたのところの姫は言葉通りうちの王太子に夜這いをかけてしまった。うちの子が発情できるのは彼女だけになってしまって困っているのだけれど――とジェフリルド国王はいけしゃあしゃあと言ってのけた。そして向こうの国の王は、国際問題に罪に問われると思ったのかあっさり結婚賛成の姿勢へ転じたのだ。
(いや、考えると頭が痛いからやめるんだ)
それは、したたかな彼女と、したたかな兄の話だった。
ミリアは王族でもなく、ましてや貴族として心構えなどの教育なども受けてこなかった女の子だった。
彼女については、そんなことにならないようアンドレアがしっかり手綱を握ろうと思った。