冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
その時、いつものノック音が聞こえて「ひぇっ」と口からもれた。
とりあえず素早く背を起こした。ミリアがソファに座り直したと同時に、扉が開いて侍女たちが紅茶の載ったワゴンを押してくる。
「なくなりそうでした茶葉も、新しいものと変えておきますね」
「は、はい、お願いします……」
「姫様、必要でしたら、遠慮なさらずわたくしたちをお呼びください。いつだって紅茶をお淹れしますわ」
「あ、うん、ありがとうございます。大丈夫、です……」
侍女たちの無駄のない仕事っぷりを前に、ミリアは作り笑いもひくつく。
(私も紅茶を淹れるのは得意なんだよね……)
もしここに本物のコンスタンシアがいたとしたら、ミリアは彼女たちと侍女仲間として一緒にそうやっていただろう。
ミリアは茶葉やハーブをブレンドして、その時の気分で楽しみ試すのも好きだ。
なので別に、自分で紅茶を淹れることも苦だと感じてはいない。
その時、ふと疑問が込み上げた。
(ここの侍女さんたち、紅茶のこととか何度か確認してくるよね。うちの姫様もご自身で振る舞うのは好きだったけど、他の姫君は違うのかな?)
コンスタンシアは、花嫁修業だと言って紅茶からコーヒーまで大変美味しく淹れた。ミリアに教えてくれたのも彼女だ。
それが、他国の常識と違っていたらどうしよう?
とりあえず素早く背を起こした。ミリアがソファに座り直したと同時に、扉が開いて侍女たちが紅茶の載ったワゴンを押してくる。
「なくなりそうでした茶葉も、新しいものと変えておきますね」
「は、はい、お願いします……」
「姫様、必要でしたら、遠慮なさらずわたくしたちをお呼びください。いつだって紅茶をお淹れしますわ」
「あ、うん、ありがとうございます。大丈夫、です……」
侍女たちの無駄のない仕事っぷりを前に、ミリアは作り笑いもひくつく。
(私も紅茶を淹れるのは得意なんだよね……)
もしここに本物のコンスタンシアがいたとしたら、ミリアは彼女たちと侍女仲間として一緒にそうやっていただろう。
ミリアは茶葉やハーブをブレンドして、その時の気分で楽しみ試すのも好きだ。
なので別に、自分で紅茶を淹れることも苦だと感じてはいない。
その時、ふと疑問が込み上げた。
(ここの侍女さんたち、紅茶のこととか何度か確認してくるよね。うちの姫様もご自身で振る舞うのは好きだったけど、他の姫君は違うのかな?)
コンスタンシアは、花嫁修業だと言って紅茶からコーヒーまで大変美味しく淹れた。ミリアに教えてくれたのも彼女だ。
それが、他国の常識と違っていたらどうしよう?