冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
まるで言い訳みたいだと自分に思った。それなのにミリアは昨日から、花を眺めてはガラスケース越しになぞっている。
なんだかただの女の子になったみたいではないか。
そう思ったミリアは、ぱんっと自分の頬を叩いた。
「しっかりするのっ、私!」
アンドレアや、花のことだって忘れる。ミリアが何よりも考えなければならないのは、コンスタンシアのことだ。
ミリアの大切な〝主人〟だ。そこに頭を切り替えよう。
(今の問題は、この結婚のこと――よし!)
すべきことが見えたミリアは、紅茶をぐいーっと一気に飲み干すと、慣れたように素早く片付けた。
そして準備万端と言わんばかりに、向かいの建物へダッシュした。
「聞いて! 大問題発生っ、殿下が結婚を続ける気らしいの!」
ミリアは騎士たちの仕事部屋に突入する。
「このまま結婚を続行されるのはまずいよ! 何か対策を立てないとっ」
真剣にそう言い放ったのたが、その一方で彼女の様子を見たカイたちは、テンションが上がらない顔だった。
「私がこんなに慌てているのに、どうしてその表情なの?」
「あのさぁ、なんというか……お前の行動っていつも裏目に出てんじゃねぇかな、て」
「裏目? 私、まだ何もしてないよ」
「木登りしていたと報告が上がっていたぞ。城側の警備兵から」
別の騎士が言ってきた。
なんだかただの女の子になったみたいではないか。
そう思ったミリアは、ぱんっと自分の頬を叩いた。
「しっかりするのっ、私!」
アンドレアや、花のことだって忘れる。ミリアが何よりも考えなければならないのは、コンスタンシアのことだ。
ミリアの大切な〝主人〟だ。そこに頭を切り替えよう。
(今の問題は、この結婚のこと――よし!)
すべきことが見えたミリアは、紅茶をぐいーっと一気に飲み干すと、慣れたように素早く片付けた。
そして準備万端と言わんばかりに、向かいの建物へダッシュした。
「聞いて! 大問題発生っ、殿下が結婚を続ける気らしいの!」
ミリアは騎士たちの仕事部屋に突入する。
「このまま結婚を続行されるのはまずいよ! 何か対策を立てないとっ」
真剣にそう言い放ったのたが、その一方で彼女の様子を見たカイたちは、テンションが上がらない顔だった。
「私がこんなに慌てているのに、どうしてその表情なの?」
「あのさぁ、なんというか……お前の行動っていつも裏目に出てんじゃねぇかな、て」
「裏目? 私、まだ何もしてないよ」
「木登りしていたと報告が上がっていたぞ。城側の警備兵から」
別の騎士が言ってきた。