冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「え、え? というか、なんでうちの陛下までいらっしゃるんですか?」

「そちらのジェフリルド国王にお呼ばれしたからだ。わしが直々に腰を上げんと、混乱しそうでな」

ひとまず落ち着いて聞いて欲しいとガイエンザル国王は告げ、娘と共にいるミリアへ説明した。

身代わりは、実のところ到着した時からずっとジェフリルド国王にはバレていたらしい。妻の王妃にも共有されていたとか。

昨日までに両国の国王と、ラグウルフ王国王太子エミリオ、ラグウルフ王国第二王子アンドレア、サンスティール王国の本物の第一王女コンスタンシアも顔を揃えて、国民へ事情が明かされた。

その際に、嫁入りしたのは〝第二王女ミリア〟だったことが公表された。

第一王女コンスタンシアの初恋相手が見つかった一方で、アンドレアの初恋相手は不明のまま――しかし偶然にも同じ日に、ジェフリルド国王が、彼本人さえ名前も知らなかった初恋の相手が〝妹王女〟だったと知った。

そこで、コンスタンシアがバフルスク王国と縁談を結ぶ前に協力を依頼。アンドレアに初恋の女の子と合わせるサプライズが決行されることになり、第一王女との結婚と公表して『第二王女』が呼ばれた――。

「え、何その嘘」

使用人たちにナイトドレスの上から、あれよあれよという間に衣装を着せられつつ、ミリアはびっくりする。

「んー、その表情もやっぱり可愛いのぉ~」

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