Touch me 〈White Snow 〉 合コン編
ここは、最近オープンしたばかりの多国籍料理のダイニングバー。
定番ビール3種類と6種類のクラフトビールが合って、時期によってその種類が代わる。
オレンジ色の照明に、軽い音楽。
カウンターの背後に見える大型のビールサーバーが、ビールの味を期待させる。
呑みに来たのであれば、ものすごくわくわくする空間だ。


私たちの席は木目調の楕円形のテーブル。その周りにぐるっと椅子が置かれている。
まだ来ていない人らいるらしく、開いている椅子がある。


「倖さん倖さん」
左隣に座る松本さんが服を引っ張る。
「今日の合コンは大当たりですよ」
と小声で話しかけてきた。

「やっぱり!合コンだったんだね。今日って飲み会って言ってたなかった?」
「飲み会も合コンも似たようなものですよ」

松本さんは、全く悪びれる様子もなくにこにこして答えた。
「違うでしょ?」
「同じですよ!
だって、ここのビール9種類もあるんですよ。飲み比べとかもできるんですって。しっかり飲めますよ。
しかもご飯もおいしいんですって」

「同じ・・・」
右隣に座るイケメンに、
「なんだってさ」
と伝える。

すると、スーツの上着を椅子にかけ、テーブルに右肘をついたイケメンと目があう。

イケメン、前野晴久が怒りを帯びた目でにっこりとほほ笑んだ。
いやいや。目が笑ってないから。

だからさ、なんで付き合いたての彼氏が真横にいるのよ?!

ん?
これって合コンに参加した私が悪いヤツ?
それとも、私という彼女かいながらも合コンに参加するは晴久を怒るべき?なのでは?



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