【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜


「その子は……俺の子供なんだろ?」

 その人は、果琳のことを見てそう言ってきた。

「何言ってるんですか?……違います」

 私はすぐに否定したけど、彼は私に再び視線を向ける。

「忘れたとは言わせない。……その子は、あの時出来た子供なんだろ?」

「……本当に、違いますから」
 
 どうして……。どうして神様は、私たちを引き合わせたのだろうか。
 どうして、また再会させたの……?

「その首のホクロ……。あの時の君だろ?」
  
「違います。……私、あなたなんて知りません」

 そう答えて、私は思わず俯いた。

「……正直に答えてくれ、頼む」

 そんな悲しそうな表情を見せられたら、正直に答えないといけなくなる気がした。

「もしそうだとしたら、どうするって言うんですか?」

 そう問いかけると、彼は「やはり、そうなのか?」と私を見つめる。

「……そうです。 果琳は、あなたの子供です」

 ウソを付いても仕方ないと思い、正直に答えた。

「そうか。……やはり俺との間に出来た子供か」

 あなたは、それを知ってどうするつもりなの?

「ショックですか?」

「……え?」

「ショックですか? あの時の一度きりの行為で子供が出来たこと」
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