【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜


「何……言ってるんですか?」

 意味が分からない……。なんで?

「俺は君と、家族になるためにここに来た」

「……なんで、ですか?」

 そう思った時、果琳が私たちの元へと走ってきた。
 
「果琳、もうお砂遊び終わったの?」

「うん!」

 果琳はたくさん遊んだのか、満足気だった。

「良かったね、果琳。 さ、おてて洗おうね」
 
 果琳を手洗い場へと連れて行く。

「まー、おててあーう?」

「そうだよ。お手手洗うんだよ」

「おてて!」

 果琳は可愛い。癒やさせる存在だ。
 私の大切な宝物……。

「はい。よく出来ました。 さ、戻ろうね」

「まーま、だっこ!」

「はい。抱っこね」

 果琳を抱っこして再びベンチに戻る。

「あ、荷物……すみません。ありがとうございます」

「いや。……じゃあ俺は、行くよ」

「あ……ありがとうございました」

 片倉さんは果琳に「またな」と小さく手を振り、その場から立ち去っていく。

「まーま?」
 
 その姿を見つめる私に、果琳は不思議そうな顔をしている。

「ごめんごめん。お腹空いた?何か食べる?」

「たーる!」

「よし、じゃあ食べに行こっか」

 果琳を連れて、近くのファミレスへと向かう。
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