【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
「あの……あなたは、果琳の父親になりたいですか?」
「そりゃあ……俺の子供だしな」
「そうですか……」
果琳もきっと、父親がいたら喜んでくれるかな? パパ〜!って、笑ってくれるのだろうか。
きっと父親がいたら、果琳はもっと笑顔になるだろう。寂しさを埋めてあげられるし、悲しむこともないだろう。
「すぐにとは言わない。 ゆっくり時間をかけて、君のそばで家族という輪を作っていきたいと思ってる」
「家族という……輪?」
家族になるってとても難しい。一年半も会っていない娘と、家族になんて本当になれるのだろうか。
どのくらい時間がかかるのか、分からない。
「これから……君と果琳を、俺が守っていきたいと思ってる」
「私と果琳を……?」
どうしてそこまで、言ってくれるの……?
「果琳が大きくなったら、運動会にも出たい。一緒に親子競技をしたいし、授業参観にも参加したいと思ってる」
そこまで……果琳のことを考えてくれてるの?
どうして……。
「君のことが好きだから、君と家族になりたいんだ。……ずっと大切に思ってる」
そんなこと言われたら、私はなんにも言えなくなる……。
「果琳が大きくなったら、旅行にも行きたい」