【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
果琳を産んだことで、その後悔は消えたんだ。
可愛いくて愛くるしい果琳をこの手で抱いた時、愛おしさが溢れたんだ。
これからは私が、果琳を守っていこうって、そう決めたんだから。
「由紀乃……」
「言っておきますが、あなたのことなんて、私は一ミリも恨んでませんから」
片倉さんは私を見つめながら、瞬きをしている。
「むしろ……感謝してます」
「感謝……?」
「あなたが残してくれた果琳という素敵な宝物が、私のかけがえのないものになったから」
果琳だけは絶対に守りたい。果琳にだけは……絶対に幸せになってほしい。
「あなたに出会えなければ、私は果琳には出会えなかった。……あなたと出会えたから、果琳を授かることが出来た。本当に、感謝してます」
「っ……由紀乃……」
片倉さんの目が……少し潤んでいた。
「え……片倉さん?」
そして片倉さんは、私をそっと抱き寄せる。
「由紀乃……ありがとう。果琳を産んでくれて、ありがとう。 可愛い娘に出会わせてくれて、ありがとう」
まさか、ありがとうと言われるなんて……。思ってもなかった。
「俺はやっぱり、君と生きていきたい。ずっと、君たちのそばにいたい」