【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
剛久さんの本気が伝わってきたことで、私は思わず剛久さんの背中に腕を回していた。
「剛久さん……。私を探してくれて、ありがとうございます」
私と果琳を見つけ出してくれて、ありがとう。今ならそう思える。
「君を見つけた瞬間……心が弾けそうだった」
「……え?」
「弾けそうだったんだ。なんかこう……すごく嬉しかった。君は本当に実在した。幻なんかじゃなかったんだって思って、本当に嬉しかった」
そこまで思ってくれていたなんて知らない私は、ちょっと嬉しいなと思えた。
「大げさ、ですね……」
「大げさかもしれないけど、本当にそう思ったんだ」
「……でも、嬉しいです」
剛久さんはその言葉を聞いて、微笑んでいた。
「私は……ママとしてまだまだです。果琳を悲しませてしまうこともあるし、寂しい思いをさせてしまう時もあります。 だけどそんな時……あなたがそばにいてくれたら、きっと果琳は喜ぶと思います。私も……多分安心します」
誰かが果琳のそばにいてくれるだけで、私は安心するだろう。
「……由紀乃?」
「だからお願いです。……果琳のこと、守ってあげてください」
剛久さんはその願いに「もちろんだ」と返事をする。