【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
「由紀乃、もし俺のことをいいなって少しでも思えたら……」
そこで言葉を止める剛久さんに、私は「思えたら……?」と問いかける。
「結婚してくれないか」
それは、思ってもいない言葉だった。
「……え?」
「その時は、俺と結婚してくれないか」
け……け、結婚?!
「け、結婚……ですか?」
い、いきなりすぎる! いきなり結婚だなんて……!
「君と果琳と、三人で暮らしたいんだ」
「でも私、結婚なんて……」
結婚なんて、まるで考えていない。
「俺はもう、君を離したくないんだ」
そんなことを言われたら、言葉が出ない。 なんて返せばいいのか、分からない。
「君を幸せにする自信があるかなんて……正直に言うと、分からない。 でも俺は、誰よりも君を思ってるんだ。君がいれば、俺は他に何もいらない」
どうして……どうしてそこまで、私に優しい言葉を言ってくれるのだろう。
どうせなら、怒ってほしかった。 俺の子供なんて、産んでほしくなかったとか……言ってくれれば良かったのに。
どうして……そんなに優しくしてくれるの?
「……由紀乃?」
私のことをジッと見つめる剛久さんに、私は「どうして私を責めないの?」と言った。