【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
4.スパダリなパパ

信じられる人

✱ ✱ ✱


 
「由紀乃」

「剛久さん?」

 それから私たちは、頻繁に会うようになった。 剛久さんとの距離を少しずつ縮めていくうちに、私は剛久さんのことを素敵な人だと思えた。

「おー、果琳。おかえり」

 抱っこされている果琳の頬を優しく撫でながら、剛久さんは嬉しそうに笑っている。

「じーじ!」

 剛久さんを見てじーじだという果琳に、私は「果琳、じーじじゃないよ。お兄さんでしょ?」と言うが、まだ理解はしていないようだ。

「いいよ、由紀乃。果琳にとっては、確かにおじさんだから」

「でも……」

 剛久さんは果琳のパパだから、やっぱりパパって言わせないとダメだよね?  
 果琳に剛久さんのこと、言わないとダメだよね。パパだってちゃんと伝えないと……。

「果琳、アイス食べる?」

「あいしゅ! たべう!」

 アイスが大好きな果琳は、特にイチゴのアイスだ。四角い棒のアイスが大好きで、そればかりを食べている。

「じゃあ俺が買ってあげるよ」

「え?いいです、そんな!」

「だって一応、パパだろ? パパらしいこと、させてくれ」

 そう言われると、私は断れなくなる。

「じゃあ……お願いします」 

「了解」
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