【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
「……ぱぱあ?」
果琳のその一言に、私は驚いた。
「え?」
「果琳?今なんて言ったの?」
今、パパって言わなかった? 言ったよね?
「今……パパって……」
「言い……ましたよね?」
ちゃんと聞こえた。パパって言ってる、果琳の声を。
「空耳……なのか?」
「いや、空耳じゃないと思います。……確かに果琳は今、パパって……」
剛久さんは相当嬉しかったのか、すごく喜んでいた。
「すごく、嬉しいな……」
「この子……もしかしたら、剛久さんのことをパパって認識したのかもしれませんね」
あれだけ頻繁に会っていたら、それはそうなるのかもしれないけど。
私は果琳にまだ、剛久さんが父親だとは言っていない。 だからこそ、ビックリした。
まさか果琳がそんなことを言うなんて……。私にも想像出来なかった。
「果琳、この人はね……果琳のパパなんだよ」
もう話してもいいかな?って、そう思った。だから、話してしまった。
「ぱ、ぱ! ぱーぱ!」
果琳は子供ながらに理解していた。剛久さんが自分のパパだということを。
果琳は……思ったより理解のある子だった。素直で良い子だ。
「そっか。パパだって分かるのか」
「ぱーぱ!」