【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
再びプロポーズ
果琳ったら、やっぱり剛久さんのことパパだと認識してるわ。……この子も、きっと剛久さんがパパで嬉しいのね。
「果琳、パパがいて嬉しい?」
「うんっ! うえしー!」
嬉しいとまだちゃんと言えないけど、嬉しいということは充分伝わってくる。
「……剛久さん」
私は剛久さんに視線を向ける。
「ん?」
「果琳のこと、抱っこしてあげてください」
「いいのか?」
私はその答えに「当たり前です。 あなたは、この子の父親なんですから」と伝えた。
「ありがとう、由紀乃」
「こちらこそ……ありがとうございます」
果琳にもようやく、父親という存在が現れた。ずっと二人だと思っていた家族が、もう一人増えたんだ。
それは本当に嬉しいことで、私たち三人家族になることを、果琳も許してくれるということなのだろうか?
「果琳、パパと一緒に暮らしたい?」
って言っても、分からないか。
「パパ一緒だと、嬉しい?」
「パパ、うーしい?」
きっと、果琳はパパは嬉しい?と聞いているのだろう。
「パパも嬉しいよ、果琳。パパはママと果琳が、大好きだから」
剛久さんの優しい声に耳を澄ませていると、果琳は「まま、うーしい?」と聞いてくる。