【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜


「うん、嬉しいよ。ママも果琳とパパのこと、大好きだから」

 果琳の頭を撫でていると、果琳は嬉しそうに笑っていた。
 やっぱり果琳には、父親が必要だ。果琳を守ってくれる、父親が。

 剛久さんなら、私たちを本当に大切にしてくれそうだ。 間違いなく、幸せにしてくれる。
 私はもう迷わない。 迷ったりしない。

「あの、剛久さん」

「ん?」

 私は剛久さんに「あの……あの話のこと、なんですけど」と切り込んだ。

「あの話?」

「……その、結婚、のこと」 

 剛久さんは果琳を膝に乗せ、私の方を向いている。

「考えてくれたのか? 結婚のこと」

「……果琳が剛久さんのことをパパだと認識して、果琳も嬉しそうなんです。 パパがいると、果琳はすごく楽しそうだし」

 私は剛久さんと、家族になりたい。 ううん。もっともっと、素敵な家族になるの。
 剛久さんと果琳と三人で、幸せに暮らしたい。剛久さんのことが、私も大好きだから。

 あの日出会ったことは、間違いじゃない。あれはもしかしたら、運命だったのかもしれない。
 今なら私、そう思えるんだ。

「剛久さん、私はあなたのことが大好きです」

「……由紀乃、俺も大好きだよ」
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