【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜


「これからは果琳と三人で、幸せに暮らそう」

「はい」

 私たちが家族になるのは、少し遅かったかもしれない。 
 でも今、こうして幸せだと思える何かが出来たのは、嬉しいんだ。 私は一人じゃないと、そう思えるから。

「果琳、パパも明日から一緒に暮らすからな」

「ぱーぱ!」

 果琳から、剛久さんに抱きついている。相当喜んでいるようだ。

「よし、果琳、ぞうさん見に行こうか!」

「ぞーさん!みう!」

「よーし、行こ!」
  
 私たちはベンチから立ち上がり、そのままぞうさんを見に行くために園内を歩き出す。

「ままっ!といさん!」

「どれ? あ、本当だ。とりさんだね」

「といさん!かあーいー!」

 鳥を見て喜ぶ果琳に、剛久さんは「鳥さん、可愛いな! ほら、おっきいな」と笑っている。

 これが家族なんだ、これが幸せなんだ。
 果琳たちを見ていて、本当にそう思えた。 

「ねえ、剛久さん」

「ん?」

「幸せに、なりましょうね」

「……ああ、とびっきり幸せになろう。離れてしまった分まで」

「はい。そうですね」

 私たちはこれから、もっと素敵な家族になるために、三人で一緒に楽しく生きていく。
 愛をもっと深めるために。
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