【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜


「果琳、抱っこする?」

「だっこ!」

 果琳は抱っこが大好きで、よく抱っこをねだってくる。そこが可愛いのだけど。
 
「あら、こんにちは!」

「こんにちは、中野さん」

 いつも果琳に話しかけてくれる近所に住む中野さんは、とても優しくしてくれる。
 果琳にジュースをくれたりもして、すごく私のことを気にかけてくれる。

「果琳ちゃんのお迎え?」

「はい」

「そう。何かあったら、いつでも言ってね」

「ありがとうございます」
 
 果琳が眠そうな表情を見せていると、中野さんが私に「あ、そうだ。肉じゃが持ってく?」と聞いてくれる。

「肉じゃがですか?」

「そう!作り過ぎちゃって! 良かったら持ってかない?」

「でも、いいんですか?」

「いいのよ!ちょっと待っててね!」

 中野さんはたまにこうして夕食になりそうなお惣菜とかをくれるから、ありがたい。
 今日は肉じゃがをくれるらしい。

「お待たせ! はい、たくさん食べてね!」

 中野さんから、肉じゃがの入った紙袋を受け取り「ありがとうございます」とお礼をする。  

「お漬物もあるから、良かったら食べて」

「お漬物まで? ありがとうございます」

 なんか色々もらっちゃってる気がする。
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