【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
子供の父親との再会
「さ、果琳。公園にお出かけしようね」
休日の午後、私は果琳を連れて大きな公園に遊びに行くことにしていた。
最寄りのバス停からバスに乗り、バスに揺られながら二十分ほどで公園に着いた。
「さ、果琳、遊んでおいで」
「まー!」
公園に着いた途端、果琳は一目散に砂場に走っていく。
果琳は砂遊びが好きで、よくトンネルとかを作っている。
私は果琳が見える所のベンチに座り、果琳の様子を見ていた。 休日の公園は少し賑わっていて、子連れの家族が多くいた。
やっぱり家族連れには、父親がいる。果琳はそんな父親たちの姿を見て、自分には父親がいないのはなぜなのだろうか?と思うだろう。
私は果琳になんて言えばいいんだろう。正直に答えるべきなのかな?
それとも父親は死んだとか、そう言えばいい? でもそんなこと言ったら、果琳はきっと悲しむに違いない。
私は果琳を悲しませたくなんてない。でも……。
父親がいないのは事実だから、そう言うしかないよね。
「あの」
そんなことを考えていた時、誰かに声をかけられた。
「え……?」
顔を上げ、その人を見ると……。
「………。え?」
「やっと見つけた」
「あなたは……」