義母と私と
挨拶に行ってから2ヶ月たち、もう少しでお正月がくる。
本当になにもやらなくていいのかと思いながらもタツヤも帰る気もなければ義母からお伺いの連絡もない。
「何だかなぁ…」
「どうしたの?」
私のつぶやきに会社の先輩が声をかけてくれ、実は…と挨拶の時の話をした。
すると先輩はうーんと悩んだあと
「こっちからの連絡を待ってるんじゃない?ほら、嫁なんだから気を遣って連絡してこい!的な?」
「あー…そういうことなのかー…」
「わからないけどね」
先輩は困ったように笑った後「とりあえず、声かけてみたら?」と言ってくれたので連絡してみることにすると返事をした。
なるほどなぁ、そういうタイプか、と勝手に納得し、帰宅後連絡してみることにした。
「え、俺がするの?」
タツヤに話すと第一声に言われた。
「いや、んー…私からするよ…」
「嫌ならしなくていいし、行かなくていいよ」
タツヤの言葉にカチンときて「してくる!」といい別室へ向かった。
私だって連絡したくないし、行きたくないし!旦那の実家に行きたい嫁なんかいないんだよ!!!と心のなかで叫んだ後一呼吸置き、電話をかけた。
「はい」
「お義母さん、ご無沙汰してます。ナナです」
「どうしたの?」
挨拶をしたが義母はすぐに用件を聞いてきた。
せっかちだなと思いながら、お正月の件を聞くと義母は間を空けてから「お節とか、お正月らしいことはなにもしないよ?来てもいいけど、なにもないわよ」と言われ、返事に困ってしまった。
「何日にくる?」
「えと、1日にお顔だけ見に行きます!」
あまりきて欲しくないのかと思いそう言うと義母は「待ってるわね」とだけ言って電話を切った。
「はぁ…」
「行くの?」
ため息をついた時、タツヤが入ってきて声をかけてきた。
「行くよ。行かなきゃ…」
「別に母さん気にしないのに」
「それはタツヤが息子だからでしょ!」
私の言葉にタツヤは苦笑いしながら「母さんにはそういうの関係ないよ」と言ってきたが意味わからない。
「バツイチ子連れ女なんかそれだけでマイナスなんだから、できる限りはしたいのよ、何回も言ってるでしょ?」
「そんな母さんは本当に気にしないんだって、何回も言ってるだろ?」
何度も何度もこの話しはした。
そして、毎回平行線で話はつかない。
本当に気にしないのかわからないし、そんなはずないと思う。
けど、言い争いたくはないからお互いこの話しは続けない。