推し活!
「慈雨?ねぇ、きいてる?」


心配そうな顔で萌香に顔をのぞきこまれ、慈雨ははっとした。


「ごめんごめん。ちょっとぼーっとしてた」


慈雨は綺羅について考えていた。


今日は始業式だけで、授業はなし。


放課後すぐに、萌香が慈雨のクラスまで迎えに来たので、綺羅とはあれ以降言葉を交わすことはなかった。


いいことを教えてくれると言われたが、結局あれは何だったのだろう?


「もしかして新しいクラスのこと考えてた?何かあったらウチのクラスに遊びに来なね」


萌香は慈雨の内気な性格をよく理解してくれている。


「ありがとう。でも大丈夫。新しいクラスで友達もできそうだし……」


一瞬、慈雨は綺羅について話そうか迷った。けど、やめた。


萌香と綺羅が仲良くなれそうにないなら、今は伏せておこう。


それより……推し活に集中だ!!
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