私たちの物語に、花を添えて
恋愛系

恋の花が咲く

私は、今の今まで恋をしたことがなかった。というか、恋愛自体が興味無い。

最近、庭に植えた花たちの様子を見に行って、水やりをする。

「やばっ！もうこんな時間！！電車に乗り遅れる……！！」

腕時計の時間を見て、私は急いで部屋に戻るとカバンを持って最寄り駅に向かった。



電車を降りて、私は友達の入院している病院に向かう。道を歩いていると花屋を見つけて、立ち止まった。

「……お見舞いの花でも買って行こうかな」

そう思って、私は花屋に入る。中は色とりどりの花がたくさん並べられていて、迷ってしまいそうだ。

「いらっしゃいませ！」

店の奥から出てきた、店員さんの声が聞こえてくる。反射的に、私は店員さんの方を見た。暗めの茶髪の、背の高い男性。

「すみません、友だちのお見舞いに花を持っていきたいのですが……花に詳しくなくて……おすすめとかありますか？」

私が話しかけると、店員さんは「お見舞いの花、ですか……こちらがおすすめです」と色々と紹介してくれた。花言葉と一緒に。

私はいくつか花を選んで、花を買う。ラッピングもしてもらった。

花束を受け取って、店員さんの「ありがとうございました。またのご来店、お待ちしております」という声を聞きながら店を出る。
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