~月のような君と~
「‥帰ってたら警察に追いかけられちゃって。」
「あー、道に迷ったって事」
なんか、外だからかな
声が近いな。
私だけが聞いてるって分かるような
なんか不思議な感じ。
「どこ?」
「え?」
「家だよ、どこ?送ってやる」
「いや、道だけ教えてくれれば1人で帰れますんで」
「さっきもそれ言ってたじゃん、なんでここにいんの?」
確かにさっきも大河さんに言ったな。
「あの、じゃあ、お願いします」
気まずい‥‥
なにも喋らない同士だから静かすぎる。
でも本当はさっき、道に迷って怖かったんだよね。
逃げた先に居てくれて、よかった。
前を歩いてる朔夜さんが
私を気にして時々振り返る。
この人‥
夜が凄く、似合うな‥‥