~月のような君と~
あんた、生きてんの?
もうすぐ家に着いちゃうな。
咲の事は心配だけど、帰りたくない。
あの家は私にとって地獄。
帰りたくない。
でも、咲をほっとく訳にはいかない。
私はお姉ちゃんだから、
お姉ちゃんの私が我慢しなきゃ‥
咲を守るって決めたんだ
感情を殺して、父親の言う通りに‥‥
「笑わねーのな」
「え?」
「魁斗とかが面白い事したりしても、あんた一切笑わねーの」
「そうですかね、そんな事ないと思いますけど。」
「あんた、生きてんの?」
は?
生きてんの?ってなに。
「心の話だよ‥‥生きてんの?」
「失礼ですね。‥‥生きてますよ。そこ左に曲がったらすぐなんで、ここで大丈夫です、じゃあ。」
「は?おい、待てよ!」