~月のような君と~
「あ、華!おかえり!電話なんだった?」
お母さんからの電話は最悪だった。
(もしもし?華?今日、お母さんと咲、おばあちゃんの家に泊まる事になったから、ご飯はお父さんと食べててね!お父さんにはもう言ってあるから!)
(え?待ってよ、私もそっちに行くよ!)
(なに言ってるのよ〜、お父さん可哀想じゃない)
(でも‥)
(明日の朝には帰るから!じゃあ切るよ!)
「お母さんからだよ。おばあちゃんの家に泊まるからって。」
「じゃあ今日、帰ったら1人なの?」
「ううん、父親がいるよ。」
「そっか!じゃあ心配いらないね!」
「‥‥うん。」
お母さんと咲がいない‥
って事は、今日ずっと父親と2人きりって事だ。
居残り。なんて言っても意味ないじゃん。
ちょっとでも2人きりになる時間が減るならって思ってたのに‥‥
神様は私の事が嫌いなの‥?