~月のような君と~



「あ、華!おかえり!電話なんだった?」





お母さんからの電話は最悪だった。



(もしもし?華?今日、お母さんと咲、おばあちゃんの家に泊まる事になったから、ご飯はお父さんと食べててね!お父さんにはもう言ってあるから!)


(え?待ってよ、私もそっちに行くよ!)

(なに言ってるのよ〜、お父さん可哀想じゃない)

(でも‥)

(明日の朝には帰るから!じゃあ切るよ!)







「お母さんからだよ。おばあちゃんの家に泊まるからって。」

「じゃあ今日、帰ったら1人なの?」





















「ううん、父親がいるよ。」












「そっか!じゃあ心配いらないね!」




「‥‥うん。」











お母さんと咲がいない‥

って事は、今日ずっと父親と2人きりって事だ。

居残り。なんて言っても意味ないじゃん。

ちょっとでも2人きりになる時間が減るならって思ってたのに‥‥


神様は私の事が嫌いなの‥?


< 35 / 165 >

この作品をシェア

pagetop