~月のような君と~
「寝れねーの?」
「寝れないってより寝たくないって感じです。」
今寝たら、起きればもう現実だもん
この夜をまだ感じていたかった。
「携帯貸して」
携帯?
別に問題ないんだけど
なにするんだろ
「はい」
渡した携帯はすぐ私に戻ってきた
画面を見ると (月城 朔夜) の文字。
え?
「それ俺の番号」
「あ、はい。」
「なんかあったらすぐ呼べよ」
なんかあったら……
ダメ。期待しちゃいけない。
誰かに助けを求めちゃいけない。
でも…
なんでこの人の言葉は
私をこんなにも弱くするんだろう…
「百合園 華 って言うんだな。いい名前じゃん、ガイコツによく似合ってる」
お父さんがつけてくれた名前。
嬉しいな…
「似合ってるって言う割にはガイコツ呼びなんですね。なんで私、ガイコツなんですか。」
「いーだろ?別に」
「いーですけど、別に。」
変な気持ちだ…
なんでかな
夜のせいかな…?
なんだかカフェオレが凄く美味しいや。