~月のような君と~
涙
「ガイコツ、立てるか」
朔夜さんが私の所に来て、そう聞いた。
「はい、立てます。」
‥‥
え?
立ちあがろうとしても、立てない。
なんで‥?
「強がんなよ、怖かったんだろ。」
そう言って、私をお姫様抱っこした。
「ちょっと、待って!恥ずかしいから、」
「頼れよ」
「え?」
「俺を頼れ。言ったろ?何かあればすぐ呼べって。分かったら大人しく捕まってろ」
あぁ、そうか。
私怖かったんだ。
こんなの父親の事があって慣れてると思ってた。
そんな事よりも、香織を助けなきゃって思ってた。
力が抜けたんだ。
皆が‥‥
朔夜さんが来たから、安心したんだ。
私は、朔夜さんにバレないように涙を拭いた