~月のような君と~
「うん、どうした?」
!?
なに、今の。
いつもの尖った口調とは、似ても似つかない。
凄く、優しい声だった。
私だけに届いたその優しい声に
私だけに向けられたその優しい目に
私はドキッとした。
「今日は助けてくれて、ありがとう。」
私は平然を装って、お礼を言った。
「よくできました」
と、私の頭をポンっとして
ニコッとした。
あぁ、私
この人の事、好きなんだ。
初めて会ったあの日から、この人に
惹かれてたんだ‥
大河さん達と話してる時は、よく笑ってるけど
私に笑いかけてくれたのは初めてだな
もう、敬語は使わない。
名前も呼び捨てにする。
だって、あの笑顔をまた見たいから。