~月のような君と~
昔、おばあちゃんが着付けのやり方を教えてくれた事があって
浴衣は自分で着れるんだよね。
後はメイクと髪の毛したらもう出ないと間に合わない
ガチャ
!?
「なに?」
「お母さん行ったよって華、お前どこに行くつもりだ?」
「どこって…今日、香織と花火大会に…、」
「なにを言っている。今日は家に誰も居ないんだ。どーゆー事か分かるよな?」
ちょっと待って…
最悪な事にならないよね…?
「花火大会終わったらすぐ帰ってくるから、」
「ダメに決まっているだろう。華、言ったはずだぞ。次は許さないと」
この前の事だ…。
「でも!!」
「咲がどうなってもいいなら行きなさい。お父さんは構わないよ。」
嘘でしょ…
この男、本気で言ってんの?
「お父さんの部屋に来るのか?来ないのか?」
「行くよ。」
私は携帯を手にとり、香織に一言
ごめん今日行けない。とだけ送って
ベッドに携帯を投げて自分の部屋を出た。