~月のような君と~

理由





誰かいるかな…



入ってみようかな。



1人で倉庫に来るのは初めてだ。

入っていいのかな。





「おじゃまします…」










中に入ると

ソファーで朔夜が寝てる



そりゃあそうだよ

今、夜中の3時だし…

ここに泊まってたのかな。













私は朔夜に近づいて

髪の毛に触れた。




「いつ見ても綺麗だな…」




起こしちゃいけないし、出よう。


















「なにしてんの」
















!?






「ビッ、クリしたぁ〜。」








「ビックリするのは俺の方な。」







と言いながらムスッと起き上がる朔夜が、また問いかけてきた。


「なにしてんの?」





「え?あの、いや違うの。前に、ここにくる理由はなんでもいいって大河さんがっ!!」





私はなんでか、早口になってた。










「あー、そうだな。じゃあここに居ろよ、理由があんだろ?別に帰んなくていんじゃねぇの」






ドアに手をかけてる私を見て

朔夜はそう言った







理由がある…


言えないけど、その言葉に私は甘えた。
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