君と白玉フラッペを
大学卒業後、俺は母校聖堂館学園小学校の教師になった。
そして雅は実家の経営する老舗洋菓子店HASEGAWAに入社。大好きな洋菓子に携わる仕事に就いた。

俺と雅は、高校、大学と順調に愛を育み、交際10年で結婚した。

結婚と同時に妊娠した雅は、長女 光を出産。その育休中に次女 恵(めぐみ)を妊娠した。

産休、育休、産休、育休と、気づけば丸3年、雅は1度も文句を言わず、家に居てくれた。

出産だけは、代わってやる事が出来ない。
しかし育児は別だ。俺が育休を取ることはできなかったが、可能な限り積極的に育児をした。

光と恵の寝かしつけは俺の役割だ。
毎夜、絵本を読んでやり、天使のような娘達の頭を撫でてやるのは俺の特権なのだ。

娘達も嫌がらず俺に懐いてくれていた。

だから俺は、恵が卒乳し、光が入園したタイミングで雅に復職を提案したのだ。

「スイーツはお前の生き甲斐なんだろう?
昔、赤いチェックのノートを見ながら言っていたじゃないか。
俺も、教師は俺の天職だと思ってる。
仕事は……楽しいよ?
雅だって、戻りたいはずだ。
幸い娘達は、うちの親にも俺にも懐いてくれている。
だから、気にせず行ってこい!」
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