君と白玉フラッペを
今日は日曜日だ。
雅は百貨店のスイーツフェアに行っている。
この一週間は百貨店詰めだったが、それも今日で終わりだ。

昼ごはんを食べさせた後、俺は二人を公園に連れて行く予定だった。
恵は手を引いて歩く練習だ。

「光、公園に行かないのか?」

「うーん、いく……」

なんだ? いつもなら大喜びなのにな。
まだあのノートを見ているのか。

「どうした?」

「……おとーさん、ひかり、おもちのアイスたべたい」

おもちのアイス?
光が指したのは、文化祭で作った白玉フラッペだった。

なるほど、白玉は餅に見えるな。

「……光、これはお母さんが作った白玉フラッペなんだ」

「おかーさん? ふらっぺってなに?」

「フラッペは……よし! これ作ってみるか!」

「え! ひかり、たべれるの?」

「ああ、お父さんと一緒に作って食べよう!」

公園はキャンセルだ。
俺は早速、恵を自転車の前にセットし、光を後ろに座らせ、スーパーに向かった。

ちょうど今、光はあの時の愛と同じ歳だ。
……どんな反応するかな?
娘の反応が楽しみだ。
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