君と白玉フラッペを
食べ終えて恵のオムツを替えていたら、雅が帰ってきた。

「ただいま〜」

「おかーさん、おかえりなさい」

「光、ただいま」

「おててあらうのよ」

「ふふふっ、はーい! 洗ってくるわね」

俺が受け持っている小学生でも同じだが、女の子は小さくてもしっかり母親予備軍だな。

「おかえり。随分と早かったんだな」

「今日は最終日だから17時で閉めて、撤去作業をしていたのよ。そうしたら斎が来たの」

「斎が?」

雅の弟の斎はまだ大学生だ。

「撤去作業はやっておくから、早く帰ってやれって。光たちが寝てしまう前に」

「それは有難いな」

確かにこの一週間は子供達が寝た後の帰宅だった。早く帰らせてもらえたなら有難い。

大学生とはいえ、斎はHASEGAWAの跡取りだ。社員に混じって撤去作業を手伝うのは自然な事。
でもあいつ、偉いな。

「ねぇ、それよりどうしてかき氷機が出てるの?」

「あ、それは…」

「しらたまふらっぺ、たべるのー」

「白玉フラッペ!?」

「あ、ああ……実は光が雅のスイーツノートを見て……」

俺は白玉フラッペを作ることになった経緯を話した。

「えぇー!!
いいなぁ〜! お母さんも一緒にお団子作りたかったわ」

「ひかり、おだんごじょうずなのー!」

「本当? お母さんにも食べさせてくれる?」

「うん! でもハヤシライスをたべてからなんだよ?」

プッ 本当におしゃまだな

「ハヤシライス、食べるだろう?」

「うん! もうお腹ペコペコ」

雅がハヤシライスを食べている横で、俺と光はかき氷を作りだした。
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