君と白玉フラッペを
かき氷機でガリガリするのは意外と力が必要だ。

「うーん、まわらないよっ」

これは光1人では無理だろう。
俺は光の手の上から自分の手を重ねる。

「光、一緒に回すぞ〜」

ガリガリガリガリと順調に氷が削られていく。

「わぁー」

こうなると、回すよりも削れた氷を見たいらしい。さっさと回すことを放棄して落ちてくる氷を見ることにしたようだ。

「よし、これくらいでいいか。
これに、蜜をかけるんだったな」

「聖、ちゃんと覚えてるんだ」

「……覚えてるけど、実はさっき雅のレシピを見た」

ズルはしたくないから、ちゃんと報告しておく。

「クリームはあの通りに作ったの?」

「ああ、練乳を入れて、かなり甘くしてある」

「そう! 楽しみね。
ご馳走様、美味しかった〜」

あの文化祭の時のように、紙カップではないけれど、雅がいつもプリンを作る時の赤い陶器のカップに、削られた氷がモコっと入っていた。

蜜をかけて、たっぷりの生クリームでかき氷を覆う。
その上に光が白玉を3つのせた。

「完成だ」
「かんせい〜」

「わぁー! 美味しそうね!」

「おかーさん、しらたまふらっぺだよ!」

「すごいね! 白玉も上手に作ったねー」

せっかくだから、雅のレシピで作った俺と光の合作の写真を撮った。

「光、食べていいぞ!」

「わーい、いただきまーす」

俺と雅はその様子を見守る。
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