君と白玉フラッペを
「んー! おいし〜! しらたまもちもち〜」

ホッ どうやら気にいったようだ。

「光、ガッつかないでゆっくり食べなさい」

そうだな。白玉は喉に詰まるかもしれないからな。

「……いったー! あたまいたーい!」

見ると光が頭を抱えて悶絶している。

「ほらー。そうなると思った。
冷たいものを一気に食べると頭が痛くなるのよ?」

なるほど……そっちもあったか。

「……お前にそっくりだな」

「もうっ! 言うと思ったー」

雅が可愛く睨んでくる。
そういえば、雅もデートの時アイスやかき氷を食べていつも悶絶してたっけ。
『急いで食べるからだ』
ってよくからかったな。

「おとーさん、しらたまおかわりしていい?」

「ああ、ゆっくり食べるならいいぞ」

「あぃしゅ! あぃしゅ!」

恵が光の服を引っ張っている。

「あら、メグも食べたい?
白玉、小さく切ったら食べられるかしら?」

恵を抱き上げながら雅が問う。

「大丈夫だろう。ちゃんと見ていたら」

うちの姫達は母親に似てみんなスイーツ好きだな。

「メグー、じゃあお父さんに作ってもらおうか。
あ、聖、私のもお願いね」

はいはい。
いくらでも作りますよ。
今日の俺はかき氷屋さんだな。

「聖の白玉フラッペは私が作ってあげるね」

「え?」

「ひかりもー! いっしょにつくるっ」

「ぱっぱー! あぃしゅ!」

「……ああ、じゃあ頼むよ」



やっぱり俺は、世界一の幸せ者だと思う。

ここに、俺の幸せの全てがある。



それから俺は愛妻と愛娘が作ってくれた白玉フラッペを堪能した。

膝にもう1人の愛娘をのせながら……。




おしまい
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