夢のまた夢では 終わらない夢
1.
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……ピピピ……
ピピピーピピピーピピピー
んん~……
目を閉じたまま布団から右腕だけ出して枕もとのサイドテーブルを探り、その手に触れたスマホを掴んだ。
サイドのボタンを押し、ひとまずこのうるさい音から逃れる。
大きく伸びをすると、ゆっくりと上体を起こし目を開けた。
目に被さった前髪をかき上げ、ベッドに立ち上がりラジオ体操第一を始める。
毎朝の日課だ。
今朝の夢見は悪くない。
ぼんやりとしか覚えていないけれど、ものすごくいい夢だったような。
覚えているのは、宮殿のような場所と大きな扉。
体操を終えると、覚えている間にスマホで夢占いの検索をする。
夢って、警告とか今の自分の状態が反映されたりするから、覚えてる時はこうしていつも夢占いと照合していた。
宮殿、宮殿……と、【野心、金銭面が恵まれる運気】。
へー、全く野心なんてないけどね。しがないOL生活も早や十年目を迎え、今年三十二になろうってのに。
とにかく、このまま平穏に今の職場で働かせてもらって、今の生活をキープできればそれでいい。
だけど、金銭面に恵まれるってのは放っておけない。
宝くじでも買おうかしら。
スマホを片手に洗面所に向かい、歯ブラシを口にくわえた。
あと、『大きな扉』も調べなくちゃね。
【扉の向うは未来。あなたに無限大の可能性が用意されてる】。
何、これ最高じゃない?
どんな素晴らしい未来と可能性が待っているのかしら。想像するだけでワクワクする。
……ピピピ……
ピピピーピピピーピピピー
んん~……
目を閉じたまま布団から右腕だけ出して枕もとのサイドテーブルを探り、その手に触れたスマホを掴んだ。
サイドのボタンを押し、ひとまずこのうるさい音から逃れる。
大きく伸びをすると、ゆっくりと上体を起こし目を開けた。
目に被さった前髪をかき上げ、ベッドに立ち上がりラジオ体操第一を始める。
毎朝の日課だ。
今朝の夢見は悪くない。
ぼんやりとしか覚えていないけれど、ものすごくいい夢だったような。
覚えているのは、宮殿のような場所と大きな扉。
体操を終えると、覚えている間にスマホで夢占いの検索をする。
夢って、警告とか今の自分の状態が反映されたりするから、覚えてる時はこうしていつも夢占いと照合していた。
宮殿、宮殿……と、【野心、金銭面が恵まれる運気】。
へー、全く野心なんてないけどね。しがないOL生活も早や十年目を迎え、今年三十二になろうってのに。
とにかく、このまま平穏に今の職場で働かせてもらって、今の生活をキープできればそれでいい。
だけど、金銭面に恵まれるってのは放っておけない。
宝くじでも買おうかしら。
スマホを片手に洗面所に向かい、歯ブラシを口にくわえた。
あと、『大きな扉』も調べなくちゃね。
【扉の向うは未来。あなたに無限大の可能性が用意されてる】。
何、これ最高じゃない?
どんな素晴らしい未来と可能性が待っているのかしら。想像するだけでワクワクする。